電力と電力量の違いは?:電験3種【理論】合格の為の必修3ポイント

電力とは?

電力とは、1秒あたりに( ① )される電気エネルギーのことを言います。単位は( ② )です。

私たちの身の回りで一番良く目にするものとしては、電球や蛍光灯でしょうか。電力の値が大きいほど、電球の明るさは明るくなりますね。ただし、最近はLEDが普及していて、「100( ② )相当」のような表記を見ることが増えてきました。実際の明るさは、電験3種(法規)で扱うので、そちらで学びましょう(後日追記予定)。

電験に合格する為には、電力を求める式が分かっていればよいだけです。P=( ③ )です(※直流の場合)。これだけ覚えれば十分です。後はオームの法則から如何様にも作り出せますから。

  消費又は供給

  W(ワット)

  (P=)IV  Iは電流[A]、Vは電圧[V]
  オームの法則「V=IR」を覚えておけば参考書に掲載されている無駄な公式は覚える必要性はゼロです     

電験3種理論で中々合格点に到達できない方は「少々真面目過ぎる」きらいがあると、私は考えています。色々なことを真面目に「覚えよう」としてしまうのです。参考書や問題集にはとてつもなくたくさんのことが書いています。はっきり言えば80%ぐらい不要です(笑)

自然科学は理路整然としています。基本的な法則さえ覚えておけば、後は導き出すことが出来ます。だから、学習にもし行き詰っているのであれば、視点を少し変えましょう。「どうせ導き出せるのだから暗記はやめる」と不真面目になってみるのが良いでしょう。

電力量とは?

電力量とは、( ④ )される電気エネルギーです。求め方はW=( ⑤ )で、単位は( ⑥ )です。ここで覚えておいて欲しいのは、電力量とジュール熱の関係式( ⑦ )です。電気を流すとそこで電子の摩擦が起こり、熱が発生します。スマホだってずっと使ってると熱くなってきますよね。これがジュール熱です。

  消費

  (W=)\(P・t\)  Pは電力[W]、tは時間[s]

  \(W・s\)
  電験3種では\(kW・h\)がよく登場します
  [s]は秒、[h]は時間を表します。

  \([J]=[W\cdot s]\)
  つまり、熱量と電力量は同じと考えて問題ないということです。

電力量の覚えるべき重要事項はこのぐらいです。この電力量が重要になってくるのは、電験3種(電力)の分野です。とは言え、それは覚えることではなくて、ただ計算するだけで、電験3種の中では点取り問題みたいなものばかりです。それについては、別途解説を行います(後日追記予定)。

交流には3種の電力がある!

交流には下図に表されるように( ⑧ )、( ⑨ )、( ⑩ )の3種類の電力があります。それぞれ単位が異なります。(⑧)は( ⑪ )、(⑨)は( ⑫ )、(⑩)は( ⑬ )です。

  皮相電力

  有効電力

  無効電力
  ※決して「無駄」ではなく必要不可欠な電力ですよ!

  \(S=IV[V\cdot A]\)

  \(P=IV\cos\theta[W]\)

  \(Q=IV\sin\theta[var]\)
  「バール」と読みます。

それぞれの電力を求める式の中に三角比が登場しますが、それについては覚える必要性はありません。図を描けばわかります!その理由は、次の項目で説明します。

覚えていないと10点損する三角比

電験3種合格の為には力率\(\cos\theta\)から自在に有効電力や無効電力、皮相電力などを出すことが必要です。ここをいちいち計算しても良いのですが、とても非効率的な計算方法をとっていて、時間ばかりがかかってしまう方も少なくありません(私自身、かつてはそうでした…)。例えば、次のような場合、どうやって計算するでしょうか?

\cos\theta=0.6のとき\sin\thetaを求めよ
図1:三角比の問題例

\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)より、

\(\sin^2\theta+(3/5)^2=1\)

\(\sin^2\theta=16/25\)

\(\sin\theta=4/5\)

のように計算していませんか?これはとても非効率です。桁数の多い小数点の計算になってしまう場合には、電卓で計算しますが、それについては後ほど説明します。三角比を用いる場合には、原則は「図を描く」です。下図のように考えるのが一般的です。

どうでしょうか?いちいち計算するよりぐっと楽になります。分数を使う必要性もないので、計算ミスも起こしにくいです。電験3種(理論)で惜しいところまで行くのに不合格になる原因の90%以上は「計算ミス」です。計算ミスを軽く流さず、「どうしてミスをしてしたのか」、「どうすれば防げるのか」を考えて、日々の演習の中でPDCAサイクルを回すことが大切です。

絶対NGな電卓の使い方!不合格確定…

では、力率が小数で与えられたらどうでしょうか? \(\cos\theta=0.312\) が与えられた時に、\(\sin\theta\)を求めてみましょう。三角比で使える公式は \(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)のみですから、

\(\sin\theta=\sqrt{1-(-0.312)^2}\)

を計算すれば良いですね。

 Step.1 「0.312×0.312=」を電卓に入力

 Step.2 結果をメモ

 Step.3 「1-(メモした値)=」を電卓に入力

 Step.4 「√」を電卓に入力

上記のような計算をしてはいませんか?このような計算をするのがダメな理由は2つあります。1つ目は計算ミスをする可能性があること、2つ目はメモや再入力の際にミスが発生する可能性があることです。電卓はこのようなヒューマンエラーを無くすために便利な機能を備えています。これを使わない手はありありませんね。先ほどの計算を電卓を使いこなすと、次のようになります。

 Step.1 「0.312××=」を電卓に入力

 Step.2 「–1」を電卓に入力

 Step.3 「√」を電卓に入力

入力する量も、メモの手間も省けて非常に便利です。ミスをするタイミングは格段に減少するはずですね。「×」を2回入力すると2乗になります。通常電卓は前から順に計算していきますが、「++」や「ーー」、「//」を入力すると逆に計算することができます。

 (例)「10//2」は「2÷10」を表します

メーカによって多少の違いはあるかもしれませんので、詳細は取扱説明書を読んでみてください。また、電卓はメーカによっても数字の配列が違ったり、入力の仕方が違ったりしますので、日頃から自分の使い慣れた電卓を使うようにしましょう。電卓を使いこなせれば、電験合格はぐっと近づきますよ!!

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