環境対策(塩害):重要ポイント4選!内線規程も合わせて要確認!

塩害って何?

台風やによって、海水に含まれる類に付着します。
状態では影響がありませんが、で塩分を含んだ状態でがいしに付着した状態になると問題が発生します。塩分を含んだの液体は、水道水等の水に比べて100倍程度電気を通しやすくなります。そのため、が増加し、が低下し、が発生してしまいます。これを「塩害」と呼びます。このような事故は、地域的に集中して多発し、長時間のになってしまいますので、事前の対策が必須になってきます。
※碍子表面に付着した塩分は、大雨などである程度は洗い流されます。

塩害対策1:絶縁強化

がいしをする他、の採用や、を用いる方法があります。
等のより高い信頼性が求められる設備では、や、を用います。

塩害対策2:洗浄

定期的に塩分付着量の測定を行い、規定値を超過した場合にを行って、がいし類に付着したにより除去します。但し、避雷器はが内部特性に影響を与えるので、は避けるべきです。

塩害対策3:塗布材使用

がいし類の表面に等のを塗布し、付着した塩分を内に吸収させるとともに、表面の水分をはじいてを防止して、がいし類のを防止します。

塩害対策4:機器密閉・屋内化

塩分を含んだ風ががいし類に直接当たらないように、機器を密閉型としたり、したりします。設備が高価で大がかりになることもありますが、根本的対策として非常に有効です。

ここまで、送電線の話を中心に行いました。我が国では、送電線におけるフラッシュオーバーでの事故が多いことに鑑みると、電験でもその辺りが中心に取り扱われることになるからです。とは言え、実際の需要家においては、上述の対策ではなく、電技や内線規程を根拠として、環境対策を行うことになりますので、簡単に見てみましょう。

内線規程1320節:塩害を受けるおそれがある電気設備

電気設備で,塩害のため保安上支障を生じるおそれのあるものは,器材の選定及び施設について十分な注意をはらうこと。

内線規程1320ー1

内線規程1320-2:高圧屋外電気設備の耐塩工事

高圧屋外電気設備の施設は,次の各号によること。
① バインド線には,鉄製のものを使用しないこと。
② がいしには,耐塩がいしを使用し,又は耐塩皿を併用すること。
③ 高圧カットアウト,避雷器などは,耐塩形のものを使用すること。
④ 柱上変圧器などは,特にブッシング部を耐塩構造としたものを使用し,かつ,その引下げ用高圧絶縁電線などは,ブチルゴム又はエチレンプロピレンゴムなど耐塩特性の良好な電線を使用すること。
⑤ 金物類は,亜鉛めっき又は十分なさび止め塗装を施すこと。
⑥ ケーブルエ事の端末処理など耐塩工事については,特に注意すること。

内線規程1320ー2

内線規程1320-3:低圧屋外電気設備の耐塩工事

低圧屋外電気設備(屋側のものも含む。)の施設は、次の各号によること(勧告)
① バインド線には、鉄製のものを使用しないこと。
② 計器類などは、金属製のものを避けること。
③金物類は、亜鉛メッキ又は十分な錆止め塗装を施すこと。
④ 本ねじの類は、銅合金(真ちゅう)製のもの又は亜鉛メッキを施したものを使用すること。

内線規程1320ー3

内線規程1320ー4:高低圧屋内電気設備の施設

高低圧屋内電気設備のうち,構造物の位置、構造などにより塩害を受ける恐れがあるものの施設は、1320-2(高圧屋外電気設備の耐塩工事)および1320-3(〔低圧屋外電気設備の耐塩工事〕)に準じで施工すること。(推奨)

内線規程1320ー4

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