電気機器の接地と電路の接地:必修3ポイントで確実に得点源にしよう!

電気設備の接地(電技第10条)

接地は電気設備を安全に用いるためにはなくてはならないものです。超重要事項ないので、条文についてはそのまま丸暗記してしまいましょう。

電気設備の必要な箇所には、異常時の( ① )、高電圧の侵入等による( ② )、火災その他( ③ )を及ぼし、又は( ④ )を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。ここでの設置は電気設備の接地です。電路の接地に関しては、電技第5条に規定されています。

  電位上昇

  感電

  人体に危害

  物件への損傷

実は、第5条は「電路を大地から絶縁する」真逆の規定してします。あくまでも電路の接地は例外措置であることを覚えておきましょう。電技第5条に関する事項について確認したい方は下記をご覧ください。

電圧の種別 電技第2条1項で、電圧の種別について規定しています(下記表1参照)。 直流交流低圧( ① )V以下( ② ...

ポイント1:使用電圧と接地種別

機械器具の金属製外箱等は原則として接地工事を施さなければなりませんが、この接地工事には使用電圧による種別があります。下記の表をまるっと覚えましょう。

使用電圧の区分工事種別
低圧( ⑤ )以下( ⑥ )接地工事
( ⑤ )超えC種接地工事
高圧又は特別高圧( ⑦ )接地工事
表1:使用電圧の区分と接地種別

上記表中にはB種接地工事が存在していません。B種接地工事は使用電圧によって行うのではなく、( ⑧ )による( ⑨ )電路の電位上昇を防止するために、変圧器の( ⑨ )を接地する際に行われる接地工事です。

  300V

  D種

  A種

  混触

  低圧側

ポイント2:機器の接地を省略できる場合

原則的に機械器具は設置をしなければなりませんが、「感電などの危険性が低い場合」には設置を省略することが可能です。資格試験勉強においては、「原則」と「例外」をきっちり押さえることが重要です。覚えることが細かくなってしまいますが、一度覚えてしまえば出題の形式は限られているので確実に得点源になりますよ!

  • 交流の対地電圧( ⑩ )以下又は直流の使用電圧( ⑪ )の機械器具を( ⑫ )に施設する場合
  • ( ⑬ )の適用を受ける( ⑭ )構造の機械器具を施設する場合
  • ( ⑬ )の適用を受ける、定格感度電流( ⑮ )以下、動作時間( ⑯ )以下の電流作動型の漏電遮断器を施設する場合
  • 電路の電源側に2次側線管電圧( ⑰ )以下で容量( ⑱ )以下の( ⑲ )を施設し、かつ、当該( ⑲ )の負荷側電路を( ⑳ )しない場合

  150V

  300V

  乾燥した場所

  電気用品安全法

  二重絶縁
  主に工事現場で使用する電動ドリルやサンダーなどです

  15mA

  0.1秒

  300V

  3kV・A

  絶縁変圧器

  接地

他にもこまごましたものはありますが、これぐらいを覚えておけば選択肢の中から誤ったものを一つ選ぶという電験3種の試験では十分正答に辿り着くことが可能です。資格試験で大切なのは、正答に至るための知識です。それ以上の細かい知識は実際に実務になった時に覚えたり、調べたりすれば良いのです。

ポイント3:接地工事の具体的な方法

接地工事の際には、接地抵抗の値が決められています。適切な接地抵抗の大きさにしなければ、せっかく大地に通じたところで電流が意図した方向に流れていかなくなってしまいます。下表2をご覧ください。

接地抵抗接地線のスケア(sq)
A種接地( ㉑ )Ω以下直径( ㉒ )mm以上の( ㉓ )
B種接地漏電遮断器の動作時間
1秒以内:( ㉔ )Ω以下
1秒超え2秒以内:( ㉕ )Ω以下
それ以外:( ㉖  )Ω以下
15,000V超え:直径( ㉗ )mm以上の( ㉓ )
15,000V以下:直径( ㉘ )mm以上の( ㉓ )
C種接地漏電遮断器の動作時間
0.5秒以内:( ㉙ )Ω以下
それ以外:( ㉚ )Ω以下
直径( ㉛ )mm以上の( ㉓ )
D種接地漏電遮断器の動作時間
0.5秒以内:( ㉜ )Ω以下
それ以外:( ㉝ )Ω以下
直径( ㉞ )mm以上の( ㉓ )
表2:接地抵抗と接地線の太さ

※スケアとは配線の太さを表す言葉です。日本国内で主に用いられています。世界標準はAWGです。

  10

  2.6

  軟銅線

  \( \frac{600}{I_g} \)

  \( \frac{300}{I_g} \)

  \( \frac{150}{I_g} \)

  4

  2.6

  500

  10

  1.6

  500

  100

  1.6

さらに、人が触れるおそれがある場所でのA種接地工事、B種接地工事の方法は、接地極の埋設深さを( ㉟ )以上で、接地極と鉄柱などの金属体の離隔距離を、金属体から( ㊱ )以上または金属体底面から( ㊲ )以上と定められています。加えて、地下( ㊳ )から地表上( ㊴ )までの接地線は( ㊵ )又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うことが定められています。

また、建物の鉄骨や配管など、人が触れるおそれのあるすべての導電性部分を電気的に接続することにより、関電なや電気機器の故障を防止する方法を( ㊶ )と言い、接地極として利用できます。

  75cm

  1m

  30cm

  75cm

  2m

  合成樹脂管

  等電位ボンディング

過去問題で確認【令和1年度 法規 問6改】

次の文章は、接地工事に関する好事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき(1)~(5)の正誤を答えよ。ただし、誤りの場合には、どの部分の記述が誤りかも答えよ。

(1)C種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗が80Ωであったので、C種接地工事を省略した。

  誤
C種接地工事が省略は10Ω以下の場合です。

(2)D種接地工事の接地抵抗を測定したところ1200Ωであったので、低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設することとした。

  誤
D種接地で漏電遮断器(動作時間0.5秒以内)を施設した場合、接地抵抗は500Ω以下 でなければなりません。
D種接地を省略できるのは金属体と大地との間の電気抵抗が100Ω以下である場合です。

(3)D種接地工事に使用する接地線に直径1.2mmの軟銅線を使用した。

  誤
D種接地工事に使用するのは直径1.6mm以上の軟銅線です。

(4)鉄骨造の建物において、当該建物の鉄骨を、D種接地工事の接地極に使用するため、建物の鉄骨の一部を地中に埋設するとともに、等電位ボンディングを施した。

  正

(5)地中に埋設され、かつ、大地との間の電気抵抗値が5Ω以下の値を保っている金属製水道管路を、C種接地工事の接地極に使用した。

  誤
金属製水道管を利用した接地工事は認められていません。この選択肢が正しいのか否かは判断しにくいものですが、その他の選択肢は基本的な知識で正当に至ることが可能ですので、この1問がよく分からなくても焦る必要性はありません!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする