受電設備を構成する機器:たった9個だけを理解すれば満点!

受電設備の概要

(後日追記予定)

①負荷開閉器:PAS

設備における等の電気事故が近隣へのとなることを防ぐ為の機器。
また、電力会社ととのとなる。

GR付PAS(戸上電機)

原則的にPASでは短絡電流のような大電流の遮断は出来ません(寿命が数百回程度と非常に短い)。そこで、実用では、PASに付随することが多い保護継電器機能であるを動作させ、需要家設備内でを切ります。その後、PASを開放することになります。

②電力需給用計器用変成器:VCT

測定の為の機器であり、高電圧・大電流をへとする。基本的にはが設置及び管理することが多い。

VCT(中部精機)

③断路器:DS

より電源側に設置され、確実に為の機器。
また、は出来ない為、停電作業の場合は下記の手順で行うことが求められる。
 1. 開放
 2. 開放
 3. 開放
復電の場合には上記の逆の手順で行う。

三菱電機DVシリーズ

特に電験では必要ないですが、現場では「ディスコン」や「ジスコン」等と呼ばれていますね。フック棒を使って操作を行いますが、その辺りのことはまた別の機会で解説します。

④避雷器:LA

高圧電路に異常電圧をし、電気設備のを保護し、を速やかに遮断する為の機器。

避雷器は容量以上の受電設備の(もしくはこれに近接する場所)への設置が規定されています。この時、避雷器の定格電圧は
 公称電圧3.3kV電路:
 公称電圧6.6kV電路:
を選定するのが一般的です。

避雷器(戸上電機)

⑤計器用変成器:(VT/CT/ZCT)

目的により3種類に大別されますが、基本的には大電流や高電圧を小電流や低電圧へと変換するものです。高圧、大電流のまま計測するのは指示機器や保護継電器の安全性を確保するのにコストがかかってしまうデメリットがあるからです。

VT():に変換する為の機器。

VT

CT():に変換する為の機器。

CT(三菱電機)

ZCT():3相分の電線を一括して変流器に貫通させてバランスを監視し、を検出する為の機器。

ZCT(光商工)

⑥主遮断装置:VCB

が発生した時に電路の異常な電流を遮断する為の機器。CB形の場合は設備容量の大きさに依らない。
一方でキュービクルなどの比較的小容量の設備ではも用いられることがある。

VCB(明電舎)

⑦保護継電器

電気設備で発生する事故により変化する電圧や電流、周波数などから検出し、迅速にし、他のを保護する為の機器。主に系の電気設備に使用される。

地絡方向継電器(光商工)

検出する為の保護継電器の整定値については、保護協調や保護方式等、いろいろと考慮しなければならない事項がありますが、ここでは割愛します。

⑧変圧器

電力会社の高圧配電路から供給される高圧する為の機器。
変圧器の電源投入時には定格電流の10~15倍のによる事故に注意する必要がある他、と誤って設備が停止しないようにを用いたり、協調の取れたにしたり工夫をする必要がある。

変圧器(三菱電機Rシリーズ)

⑨高圧用進相コンデンサ・直列リアクトル:SR,SC

進相コンデンサは、需要家内の等のにより増大するを消費し、を改善する為の機器。
一方で直列リアクトルは、進相コンデンサの投入によって増大するを抑制する為の機器。

コンデンサ(三菱電機)
リアクトル(三菱電機)

もちろんコンデンサとリアクトルは別々の機器ですが、需要設備としてはセットで用いられることが多いので合わせて覚えておきましょう。コンデンサだけを投入し、リアクトルを適切に設置しないと、先述したように高調波が増大します。そして、それに伴い皮相電力も増大します。結果として、コンデンサの容量を超えてしまい、コンデンサが焼損してしまう事故が起きてしまいます。

ちなみにリアクトルは、%タイプと%タイプの2種類が用いられます。細かい話はここでは割愛しますが、%タイプのリアクトルは対策として用いられます。一方で、%タイプのリアクトルは対策として用いられます。一般的には%タイプが用いられることを覚えておきましょう。


受変電設備は電気の関係者にとっての肝です。普段からお仕事で見ている人はそれほど難しい話ではないかもしれませんが、関わりのない方にとってはさっぱりです。実際の電気の流れを理解しながらしっかりと覚えましょう!

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