変圧器の結線5種:使いどころとメリット&デメリット:テーマ8 2023/4/4 2025/2/22 機械 もくじ Toggle1.Δ-Δ結線2.Δ-Y結線3.Y-Δ結線4.Y-Y結線5.V-V結線こんな変圧器もある単相三線式スコット結線三相6線式(内接デルタ結線)三相7線式 1.Δ-Δ結線 ぐるっと回るのがデルタ結線(黄色マーカ) 主に低圧回路で用いられる。中性点接地ができず、地絡保護に欠ける点で注意が必要である。しかし、第3高調波が還流する為、電圧ひずみが起きにくく、1相が 故障してもV-V結線として運転継続が可能な点でメリットがある。また、降圧後に210V電圧(300V以下)で使用する場合には一端を接地できる為、地絡保護は可能である。 2.Δ-Y結線 主に昇圧用として有効である。Y側で中性点接地ができるので、地絡保護ができることに加えて、事故相の異常電圧抑制も可能である。一方、Δ側で第3高調波が還流する為、電圧ひずみが起きにくい。また、一次側と二次側に30°の位相差が生じる為、並列運転の際には注意が必要である。Y側では、電圧が\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{3}}\)倍となる為、変圧比を大きくとることが出来るメリットがある。 3.Y-Δ結線 主に降圧用として用いられる。一次側をY結線とすることで、巻線の絶縁設計に有利である。その他は2の記述と同様である。 4.Y-Y結線 一次と二次で位相差が生じない為、他の変電所との並列運転が可能になる他、中性点接地が可能である。一方で、中性点接地を行うと、大きな地絡電流が流れ、電磁誘導障害を引き起こしてしまう。とは言え、中性点非接地とした場合には、故障時に中性点電位が移動し、異常電圧を生じる。そもそも、Y-Y結線では第3高調波が流れる回路が無く、電圧がひずむ点でも問題がある。 そこで、三次側にΔ結線の安定巻線を設置して、電圧ひずみを解消する。さらに、一線地絡などの故障時に零相電流(\(I_o\))を三次巻線に還流させることで、変圧器の零相インピーダンスを小さくし、地絡電流の検出を可能にしている。 5.V-V結線 電圧降下が不平衡となる為、Δ-Δ結線の故障時の応急用であり、通常電力系統の運用では用いられない。出力はΔ-Δ時の58%、利用率は87%程度である。とは言え、変圧器が節約できる利点は大きく、計器用VTとして広く利用されている。 こんな変圧器もある 基本的には上述のようなトランスが使用されるが、高圧需要家の中では以下のような変圧器も使用される。その他にも様々なものがあるが、代表的なものを記載した。 単相三線式 単相の電力を対地電圧105Vの相線と、中性相の合計3本で降圧して使用する為のトランスである。高圧需要家では主に電灯用として用いられる。 スコット結線 3相の電力から2相の単相の電力を得る結線方法である。一般的な標準品は二次側は単相三線式である。先述の単相三線式では、三相電力に不平衡が生じ、内線規程に違反してしまうような場合に、スコットトランスを用いる。二次側の単相負荷を均一にしておかなければ、一次側に不平衡電流が流れてしまうことに注意が必要である。 三相6線式(内接デルタ結線) 二次側のデルタ結線の各相の中間から1線を引き出し、100%電圧と50%電圧の3相負荷へ給電できる。 三相7線式 1台で動力負荷と電灯負荷へ電力を供給できる。小スペースになるメリットがある一方で、3つの単相負荷を均一にしておかなければ、一次側に不平衡電流が流れてしまうので注意が必要である。